時間の経過が感じられました。
昔はただただ煩わしかった。
引っ付けあって笑ったこともあるが、それ以上に服に引っ掛かって手間を取られた印象が強い。
何も考えず、惰性で歩を進めていた人にとっては大敵だろう。
取ればいいだけなのだが、その時間がなんとも惨めだった。間抜けさを露呈しているようで、なんとも恥ずかしかった。
しかし10数年も経ってみれば、こいつの印象はガラリと変わっていた。
こいつには変化が見られないから、こっちが変わったんだろう。
否定的な言葉でしか表現されなかったものも、時間と共にその表現を変えていく。
大人になった、といえば聞こえはいいが、つまりは感情の振れ幅が少なくなったのだと思う。
小さなことに動じなくなったとも言えるし、些細なことから何かを感じ取ることができなくなったとも言える。
足元に広がる小さな世界を見なくなることを成長と呼ぶのなら、昔のようにこの美しい世界に心を動かすことはもう出来ないのかもしれない。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。